2013_01
17
(Thu)06:09

「センパイの瞳に映ったワタクシ。」

  元.わたしの自画像


 包丁がここへ飛んできた。
 青い輝きの刃が不明飛行物体のように光ったり回ったりしながら、 ダイニングルームのテーブルに寄ってじっと座っている私に、 腕を斬ってしまった。
 避けるなどできなかったので。 そのままで斬られるしかない。
 痛みが冷たさと共に腕から頭に走ってきて、 血がすごく出るかと思ったが、 気がついたら、 晩ご飯を盛った皿だった。 包丁ではなかった。 そして、ぶつかったところがただの擦り傷に過ぎなかった。

 だが、 あの時、腕の蔭に隠れた心が、何かに傷つかれた気がする。

 合気道部に入ってはもう四年目、 汗まみれの稽古で、 段々強くなってきたかもしれない。
 取りと受けと互いに二の腕を交わし、 技の練習で倒れてからすぐ立ち上がり、 終わったところに涼しい飲み物での満足感に沈む。 今は強さを求め、 しかも近頃に昇段の審査が近づいてきた。 ところが、 昔のことを振りかえ始めた。
 何のきっかけで合気道部に乗ったのだろう。 強くなりたいとか当たり前なことだけど、 そう言ったら、 どうしてここまで来れるのだ。

 そうだ。
 先輩の背中の姿が、 瞳から消せぬからだ。

 あの時のことを一生も忘れない。 道場でポニーテールと舞い、 偶々残酷すぎる言葉で話す先輩である彼女は、 葡萄の藤で、 ついでに救ってくれたことと。

C.O.M.M.E.N.T

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