2015_02
05
(Thu)14:01

【やさしいキスをして】


「ひさしぶりのうたなんですけど」



あなたのいちにちが おわるときに そばにいるね
なにもいわないで やさしいキスをして

そっとかみをなでて かたをだいて そばにいるね
あなたがねむるまで やさしいキスをして

でんわしてくれたら はしっていくから すぐにいくから
なにもかも ほうりだして

いきをきらし ゆびをひやし すぐあいにいくから
むくわれなくても むすばれなくても
あなたは
ただひとりの うんめいのひと

きょうといういちにちが おわるときに そばにいられたら
あしたなんていらない

かみをなでて かたをだいて あなたがねむるまで
このであいに やさしいキスを
これがうんめいなら


  チュウオウ区、ある隅。

 「......これをみせてどういうつもり」
 ヘッドホンは平かな曲線に沿い、元の居場所に落ちた。

 優雅な指先、軽く止まった。投げ出したまま、うつくしさ満載のアングルで。
 僅かないかりが、盛ってたが。

 「べつになにも、きいてほしいだけだ」
 「あっそう?かみをなでさせたがってるじゃなかったっけ」

 やはりバレてるか。予想内のことけれど。
 「もうそんなにきたいなんかあんまりしてません」

 「ただのあんまりか」
 「あんまりだけです」
 からだをソファーに沈ませ、チェンピやっといっときの静かをえた。
 近頃いろんな事情で、ひとりへのおもいが、無数のミライに化し、脳みそに大暴れ。
 かねつと共に、げきつうも容赦なく役を果たした。

 にぶいまなざしだな。
 フェデリカの鼻息が、けいぺつしている。

 「ところで、どうおもうかな」
 「...はぁ?」まばたき、そして啞然。
 チェンピに問われるなんて、彼女にとっては、限りなく思いかけぬこと。
 「むくわれないなら」

 「ぐもんだな、ボウヤ」別にワタクシわかるわけないだろう。
 「わかんないからきいているよ」ついあきらめずに、伺った。
 どうしても知りたいんだからしようがない。

 もろいものはマジ面倒。
 「よくこころがまえてるんじゃない」しかし見捨ててもならないし。とにかく一旦、誤魔化しよう。

 ひそひそ。
 「......そうです.な」思う通りに引っ掛かったチェンピは、言う、「やれってこと......か」

 「まだかくごふそくみたいだよね」壁を離れ、キツネはソファーへ向かう。
 「かくごとは.....そう.かんがえられませんが」
 「いいの、ゆるす」
 オオカミの死角、さらに背後へ、ゆっくりに、そーと、近づいた。
 「たまにひつようなのは、じかんだけって、ワタクシさえわかるよ」

 欲しがるほどの声が、未熟の耳に寄添って、囁く。
 「まつんだ、ボウヤ」
 こうして、復旧するはず。ダメって言っちゃダメだよ。もう一歩ワタクシと近くなったからね。

 ほんのすこしの躊躇をいだいたけれども、それにしても、チェンピうなずいた。
 ひとみのするどさが、元の様に光り始まってしまった。
 「畏まりました、センパイ」これで、またいまへ立ち向かえるでしょう。

 ところで、
 ワタクシ、アリガトウって、いうべきなのか。
 否か。

C.O.M.M.E.N.T

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